北海道の林業大学校
3月11日の日経新聞地域面で、4月に開校する北海道立林業大学校(北の森づくり専門学院)に関する記事が取り上げられた。4月の開校に向けて、道と林大が一致団結し定員充足に向けて取り組んでいることを紹介している内容である。
定員40名のところ、現在28名の合格が決まっているという。入学試験をあと1回残しており、第1期生の積み増しに躍起になっているようだ。
しかしながら、新しく開校する学校において初年度から定員を充足させるのは難しい。学校でどのような教育が受けられるのか、また卒業後にどのような進路があるのか、特に卒業後の就職先のイメージができないからである。
2012年に京都府が京都府立林業大学校を設立して以降、道府県による林業専門の研修機関、「林業大学校」の設立がブームとなっている。2012年以降、京都府、宮崎県、秋田県、高知県、山形県、福井県、徳島県、大分県、兵庫県、岩手県、和歌山県に林業大学校が設置された。2019年4月には熊本県でも林業大学校が開校している。
こういった先に開校した林業大学校においても、開校してしばらくは入学者の確保が課題であった。しかしながら、大学校での教育内容や就職実績が明らかになることで、自然と定員が埋まるようになった。大学校の卒業生が就職先で活躍することが産業界からの林業大学校の評価につながり、卒業生の就職への引き合いが増える。就職率100%の実績は農業高校等へのアピールになる。
もちろん他の林業大学校が府県内に留まらず、他都道府県でPR活動をしていたことは事実である。しかし、中身が伴わないPRは空虚である。オール北海道で学生をバックアップし、優秀な人材を全道の事業体に供給することが求められている。